「Greater than you think」Thomas Williams著 

アメリカのカトリックの神父ウィリアムズ氏が、ドーキンス、ヒッチンズといった著名な無神論者達の主張に対し、宗教家の立場から反論を試みる興味深い一冊。キリスト教のみならず、広く宗教的な立場から幅広い議論を展開している。信仰者は無神論者より知的に劣るか?宗教は戦争や暴力の原因となるか?キリスト教は科学と矛盾するか?無神論者は信仰者より寛容か?といった、一般のアメリカ人が普段疑問に思うような点をロジカルに説明している。文章は高尚で、読むにやや難しいが、エッセンスはよく伝わってくる。この種の宗教Q&A本の類は、日本でももっと読まれるべきだと思った。とりわけビジネスマン達に、読まれるべきだと思う。



「科学者とキリスト教 ガリレイから現代まで」渡辺正雄著 

科学(厳密に言うと西欧科学)とキリスト教という、一見したところ相矛盾するように見える両者が、実は同根、同質であることを語る面白い一冊。宇宙を「第二の聖書」と見なし(第一の聖書は普通の聖書)、そこから神の言葉を読み取ろうとしたガリレイ、ケプラー、ニュートン。広大な宇宙の中で整然と運行される天体に、創造主の御業を見いだしていた彼らは、敬虔なキリスト者でもあった。惑星間の距離比から造られる宇宙ハーモニーの話と、光のプリズム合成の話が興味深かった。



「モルモン教とキリスト教」ウィリアム・ウッド著 

モルモン教とはどういう宗教か?1827年のアメリカで、ジョセフ・スミスが神の啓示を受けて地中から発見したとされる「モルモン経」。モルモン教のすべてはそれから始まったらしい。詳しくは本書を読んでいただきたいが、一言で言うと、荒唐無稽と言うしかない。彼らなりの教義を基にするのであれば、なぜ中途半端にキリスト教のいいとこ取りをするのであろうか?結局は人間の欲望を満たすための手段にしているようにしか思えない。いずれにせよ、判断は読者一人ひとりにゆだねられると思う。



「ゲーデルの哲学―不完全性定理と神の存在論」高橋昌一著 

「あなたは自分が矛盾しないということを証明できない」難解とされるゲーデルの不完全性定理を、論理記号や数字を出来るだけ使わないで紹介する良書。アリストテレス以来の天才論理学者とされるゲーデルの哲学を、彼のバイオグラフィーとともに解説している。数学の無矛盾性を証明しようとしたヒルベルト・プログラムに反発し、逆に人間の不完全性・矛盾性を証明している。とどのつまり、不完全性定理とは、ヨブ記のクライマックスにおいて語られる神の御言葉のようだと感じた。ゲーデルが言わんとしていることは、3500年前に既に神がヨブ達に語っていたのではないか。神学的なアプローチではなく、論理学的アプローチをとったゲーデルには何が見えていたのだろう?



「90 Minutes in Heaven(天国での90分)」Don Piper著 

アメリカの牧師パイパー師が交通事故に会い、天国に行ってきたという実話。アメリカで200万部を超えるベストセラーになったが、日本ではなぜかまったく知られていない。バプテスト教会の総会に出席し、帰宅途中に大型トラックと正面衝突し、救急隊によって正式に「死亡」宣言されたが、90分後に奇跡的に蘇生した。その90分間天国に滞在したが、そこは既に亡くなった愛する者たちが迎えに来る、世にも美しい音楽が奏でられる、喜びに満ちたところであったそうだ。詳しくは本書を読んでいただきたいが、読む者に天国がどのようなところかを教えてくれる。事故現場の描写は生々しいが、事故後の快復の過程もドラマに満ちており、読む者に勇気を与える。天国の存在を実感させる一冊。


「黄金の小冊子・真のキリスト教的生活」ジャン・カルヴァン著、有馬七郎訳 

カルヴァンの代表的著作『キリスト教綱要』をわかりやすくまとめた本。ラテン語・フランス語→英語→日本語の翻訳順序のようで、原文に忠実と思われるが、これにしてもなぜか翻訳にある種の違和感を覚えてしまう。しかしながら、内容は秀逸で大変勉強になる。キリスト者としてのカルヴァンが、いかに厳しく自分を律し、神の器としようとしていたかが伺いしれる。カルヴァンのように厳しく生きることは、弱い小生には出来そうにないと思った。


「ジョージ・ミュラーの祈りの秘訣」ジョージ・ミュラー著 

19世紀のイギリスの牧師、ジョージ・ミュラーによる「祈りの記録の証」。ただ神への信仰と祈りだけにより孤児院を建設し、孤児たちを育てた「実話」は圧巻そのもの。「今はもうこれだけしかお金がなくなってしまった…」というどん底にいても、どこからか、何らかのかたちで必ず助けの手が差し伸べられる不思議さ。正に奇跡の物語。神を信じない人も、ひとつのヒューマン・ドラマとして読んでみたら楽しめると思う。


「聖書と考古学」、ドナルド・ワイズマン、エドウィン・ヤマウチ著 

聖書の考古学的研究の権威、ドナルド・ワイズマン、エドウィン・ヤマウチの共著。 聖書の歴史的信憑性と記述内容の正確性に、最近の考古学的発見とともにアプローチ する好著。個人的には新約の部分が面白かった。聖書に興味のない人にも一読をお すすめしたい。


「キリストは神か偽善者か?」ジョシュ・マクドウェル著、山口昇訳

1977年に初版され、全世界で1,000万部を売上げたというベストセラーの再版。 リー・ストローベルの最近の著作からの引用も多く、今日的アップデートが施されている。内容はシンプルで読みやすい。ただし、この種の日本語訳にある種の違和感を 覚えてしまうのはなぜであろうか。いずれにせよ、おすすめの一冊。


「Just like Jesus(イエスのように)」Max Lucado著

マックス・ルケードの比較的新作。邦訳「イエスのように」も出版されている。 が、原文で読むほうが断然いい。ルケードの、いかにも親切でやさしい 文体が、邦訳ではまったく違う感じになってしまっている。「である」調より も、「です」調で訳した方がいい。ルケードのやさしさを素直に訳してあげる べきだと思う。
内容はわかりやすく、イエスが今この時に「あなた」になったとしたら、どう なるかというストーリーで終始している。主題も明確で、大変面白い一冊。


「The Case for Christ(キリストの陪審(邦訳は「ナザレのイエスは神の子か?」))」Lee Strobel著

シカゴ・トリビューン紙記者リー・ストローベルの代表作。元は不可知論者で あった彼が、キリストの死と復活をいくつかのアプローチで検証し、自ら 評決を下すストーリー。元記者だけあって、話に無駄と無理がなく、ロジカル に、かつ、エキサイティングに進行する。膨大な証拠による論拠は立派としか 言いようがない。邦訳もあるが、できれば原文を読む方が良いと思われる。


「Betrayed!(ビトレイド!)」Stan Telchin著

あるユダヤ人アメリカ人家庭で実際に起きた、メシア探索と 発見の物語。保守的なユダヤ人家庭であったテルチン家で、 ある日長女がクリスチャンに回心したことから事件は始まる。 娘を何とか「取り戻そう」と反証拠探しに聖書を読み進む父 親は、その後、意外な展開を見せる。アメリカを始め全世界 で数百万部を売ったベストセラーだが、何故か日本ではほとんど 知られていない。

2009年秋頃日本での出版を計画しています。
サンプル(第一章:PDF)はこちら。
「ビトレイド!」日本語版公式サイト



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