漏れは企業再生の現場に結構古くから存在しているが、最近、企業再生を看板に掲げる会社がやたらと増えてきたように思う。この業界、古くは獨協大学の高木先生を中心に基礎が固まり、紆余曲折を経て件の産業再生機構へと発展したが、肝心の産業再生機構そのものは時限により解散してしまった。一体、産業再生機構とは何だったのかと思ってしまうが、やはり、あれは一体何であったのかと思わざるをえない。企業、特に中小企業の破綻が続出する今日においては特に、あの手の国策会社が今こそ必要であると思うのは、ひとえに漏れだけではあるまい。

 さて、企業再生を看板に掲げる面々だが、色々な出自があるようだ。活躍中の筆頭は銀行出身者だ。「銀行出身者が何で企業再生を?」という疑問も一部にはあるが、大なり小なり、彼らは相談してくる中小企業の「リスケ」を手伝うのが主業務である。元銀行員の先生達は、日本の中小企業経営者のほとんどが知る由が無いリスケについての情報をかなりの程度有しており、それをベースにした「リスケのコンサル」を行っている。そして、この種のコンサルを求めるニーズは少なくなく、彼らは多忙を極めている。

 もともと日本の中小企業金融が、銀行融資という硬直化したものに集約されてきたことから、リスケコンサルタントが活躍する素地が生まれたと見るべきだが、苦境に陥っている中小企業経営者にしてみれば、リスケコンサルの先生達も、リスケの現場においては、ほとんど仏様のような存在に思えるのかもしれない。

 リスケコンサルの先生方が活躍する一方で、驚くべき存在とすべきなのが「倒産経験のある元経営者の企業再生コンサルタント」の先生方であろう。我が国経済が日増しに悪化する中、倒産を余儀なくされる経営者の数も激増している。そのような破綻経験者の中でも、自らの経験を活かして「他者を救おう」とする輩が「企業再生コンサルタント」としてそぞろに活動を始めている。そのほとんどに共通するのが、いずれも「私は○○億円の借金を背負い、○○通の内容証明を受け取り、○○といった訴訟を起こされ…」という「自らの悲劇」を売り物にしている点である。中には、倒産サイドの利害に立った内容の本も出版し、宣伝を忙しくしている輩もいる。漏れは、最近漏れのクライアントの一人がそうした輩に相談したという話を聞いたが、即座に思ったことは、これらの「先生」とは、別段企業再生に有効と思われる突出した技術やノウハウをほとんど全然有していないということであった。相談したクライアントに対し、その「先生」は、「速やか閉店して在庫を売り払いなさい」というご託宣を述べた後、相談料を手にしてそぞろに立ち去って行ったそうだ。

(続く)

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Column "Hitorigoto"

Vol.19「企業再生」という名の商売を行う面々 Part1