なお、倒産しそうな企業を倒産させないことが「企業再生」の基本目的であるという考え方もある。しかし、冷静に考えてみた場合、企業を倒産させることがそんなに悪いことなのかという考え方も成立しうる。企業の倒産とは、テレビドラマのワンシーンのように、社長は債権者に追い詰められ、被害は家族にもおよび、一家離散の悲劇、最悪のケースでは一家心中にまで追い詰められるという、実に恐ろしいものであるという一般的な認識が我が国にあるように思われる。そして、そのような認識のもとに、それを商売の材料にしようとする輩がいることも、残念ながら事実なのである。

 しかし、誤解を恐れずに言えば、別に企業の倒産なんてものは、実はそれほど恐ろしいものでもない。倒産、つまりデフォルト宣言なんてものは、最近は国家レベルで普通に行われている。ちょっと前のアルゼンチンは有名だが、近年ではアイスランド、そしてイギリスですらデフォルトするのではと囁かれている。国という、ひとつの巨大な完成された組織ですらデフォルトするのであれば、弱々しい中小企業がデフォルトしたとしても、別にとりたてて責められることはないとも思われる。確かに、借りたお金を返さないということは悪いことであろう。しかし、国レベルでデフォルトをする人類とは、総体としてみても、それほど優れた存在であるとはどうしても思えない。それを踏まえると、弱い中小企業経営者がたまたまデフォルトしてしまったとしても、それを目くじら立てて攻め立てる気には、少なくとも漏れのような奴はまったくならない。最近は上場企業の倒産が続出しているが、最近倒産したモリ○トなんて会社は、上場からわずか一年足らずでデフォルトし、債権者と株主に甚大な被害を与えている。漏れのお客さんの一人は最近経営が悪化し、ほとんど破綻懸念の状態にあるが、そんな弱い立場の彼がモリ○トのデフォルトによって多大な実害を受けている。会社を何とか存続させようとがんばっている彼のような人が、上場企業の倒産によって経済的ダメージを受けてしまっているというのは、ほとんどアイロニーというか、モラルハザードと呼ぶしかないのではないか。

 話は元に戻るが、前に紹介した「倒産経験のある元経営者の企業再生コンサルタント」の先生方であるが、ほとんどがそれなりに善良なる第三者の立場から企業再生支援を行っているものと思われるが、漏れが対面したある「先生」などは、どう見ても自分のためにだけ「企業再生」を行っているとしか思えなかった。そして、自分のためにだけ企業再生を行う輩は、決してクライアントに最終的な利益をもたらすことはないと漏れは信じる。企業再生の仕事を行うと標榜する人達と付き合う際には、その人達が何を目的として企業再生を行っているかを、しっかりと把握することが大切であるということを、漏れは声を大にして訴えたい。また、きれいごとや、シンプル極まりない解決策をもって事が解決しますよというような手合いは、絶対に信じてはならない。企業再生の現場は、世人の想像を超える厳しい世界である。それを逆手にとって、クライアントをだまして簡単に儲けようとする輩が、想像以上に数多く存在するのだ。

(続く)

(ブログランキングにご協力お願いいたします。↓)

にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ
にほんブログ村

Column "Hitorigoto"

Vol.21「企業再生」という名の商売を行う面々 Part3