漏れは「アメイジング・グレイス」という歌がものすごく好きだが、この歌が実は賛美歌であるという事を知っている日本人は極めて少ない。というか少なくとも漏れは知っているという日本人に会ったことがない。「アメイジング・グレイス」といえば、亡くなった本田美奈子さんの代表作か、あるいはちょっと前に放送されたテレビドラマ「白い巨塔」のエンディング・テーマに使われた曲として認識されているのが一般的であろう。しかし、「極めて少ない」と書いたが、クリスチャンの日本人であれば「アメイジング・グレイス」が賛美歌であることは当然知っていると思われる。「アメイジング・グレイス」は日本基督教団刊行賛美歌第二編167番として収められ、一般的にキリストの教会で歌われている。

 この歌は、イギリスのジョン・ニュートンという人が作曲したのだが、作曲に至るまでの逸話が大変面白い。ジョン・ニュートンは1725年にイギリスで生まれた。父親は海洋貿易船のオーナーで、ジョンも幼い頃から父親の船に乗り、船乗りとして成長した。青年になると当時の大産業であった奴隷貿易に手を染めるようになり、自身も奴隷貿易船に船員として乗り組むようになった。やがて自分で奴隷貿易船を所有すまで成長し、頻繁にアフリカ大陸へ出かけては奴隷貿易に忙しくする日々を送るようになった。アフリカから帰路イギリスへ向かっていたある日、ニュートンの船は突如大嵐に見舞われ、ほとんど沈没するまでの状況に陥った。ほとんど死を覚悟したニュートンは、船長室で神に祈りを奉げた。「神よ、どうぞ我らに哀れみを…」というニュートンの祈りは神に聞かれ、嵐は徐々に静まっていった。静まりかえった海上でさまよう貿易船の船長室で、ニュートンは彼が後に語った「神の救い」を確信した。帰国したニュートンはそれまでの自分の罪を悔い改め、やがて牧師となり、キリストの福音を述べ伝える者となった。

 「アメイジング・グレイス」とは、直訳すると「驚くほどの恵み」となる。アメイジングという英語は、総じてポジティブな意味で使われ、例えばアメリカ人が何かに驚いたとき、すごい映画を見た時などに使われる。例えば、"You are amazing!"と言われたら、それは多分に良い意味で「あなたは驚くべき人だ」という意味である。大阪のUSJには「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド」という、恐ろしく長たらしい名前が付けられた乗り物アトラクションがあるが、それなどはその好例である。余談になるが、漏れは数年前にUSJに子供を連れていった時、当時6歳であった漏れの息子をそのスパイダーマンのアトラクションに強引に乗せようとした。あくまでも嫌がる彼をほとんど強制的に乗せようとしたのだが、それでも彼は断固として拒否した。最後はあきらめて当時9歳であった娘と二人で乗ったのだが、これがトンでもないシロモノで、大人の漏れでさえ乗っていて気分が悪くなるほどの激しい乗り物であった。ほとんど憔悴して降りてきた漏れは、出口で一人待っていた息子に大変申し訳ない気持ちを抱いてしまった。自分の如き愚かな人間の勝手な思い込み(その乗り物が6歳の子供でもカンタンに乗れる筈だという)とは、いかにどうしようもないものであるかと悟った次第であった。

(続く)

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Column "Hitorigoto"

Vol.23 「アメイジング・グレイス」という歌の話 Part1