昨日、仕事に使うため会社で話題のアマゾンキンドル(Amazon Kindle)を買ってもらった。先週金曜日にネットで注文したら、今週月曜日にはもう会社に配達されてきた。配達の状況はオンラインで確認できたが、注文を受けたアメリカのアマゾンが、当日にアリゾナの配送センターへ出荷オーダーを出して当日夜にアラスカへ空輸。翌日アラスカから成田へ乗せ換え便が出発し、日曜日午後に成田に到着。翌月曜日朝に通関し、当日午前11時22分に当社社員が受領した。注文から配達までおそらく数週間程度かかるであろうと勝手に想像していたが、実際は驚嘆のスピードで配達された。驚いて荷物を受け取った漏れは直ちに開封し、中身を確認した。そこには、アイボリーホワイトのボディに大きめのディスプレイが目立つ、スマートなデザインのキンドルがシンプルに納められていた。わくわくしてそれを取りだした漏れは、早速アダプターをつないで充電し、充電が終わるやただちに使い始めてみた。結果、漏れはその革新性にほとんど愕然となってしまった。この小さなシロモノは、日本の今後の出版業界に大きな影響を与えるであろうと直感した。

キンドル画像1  キンドル画像2


 キンドルがもたらすインパクトは、第一に我が国の出版流通の構造を大きく変えるあろう。アメリカでは、アップルのipodの登場によりCDの流通構造が変えられたのと同じベクトルで、キンドルによって出版の流通構造が変えられつつある。アメリカのアマゾンでは、最新の情報で同社書籍売上の30%が既にキンドル経由であるとしている。なお、アマゾンでは、キンドル開発スローガンを「本のためののipodを作る」こととしていたそうだ。いずれにせよ、キンドルの登場により中間の取次(卸)が必要でなくなるため、キンドル経由の書籍の価格は通常より20%以上も安くなる。この価格差により、消費者が直接的に経済メリットを得られる。ちなみに、キンドル書籍を70冊以上購入するとキンドル本体の価格がチャラになるそうだ。

 また、キンドルは書籍のオンライン流通によって取次を消滅させるばかりか、出版社さえも消滅させる可能性がある。従来は、著者は出版社を通さなければ自らの書籍を書店に流通させることはほとんど不可能であった。しかし、アメリカのアマゾンでは著者がキンドルを使って直接読者に書籍を販売できるツールを用意している。しかも、著者が受け取る印税も最大70%に設定されていて、これは10%程度とされる「通常」の出版での印税より大幅に高い。キンドル経由の販売価格がたとえ半分に下がったとしても、受け取る印税は大幅に増えるのであるから、ただでさえ低収入に苦しむ日本のマイナーな著者などはこぞって飛びつくであろう。

 今のところ、キンドルは英語版のみ出荷されているが、噂ではアマゾンは既に日本語版のキンドルのプロトタイプを完成させているらしい。早ければ年内にも登場すると漏れは予想しているが、多分、出版業界とはまったく縁のない新たな勢力が、アマゾンと手を組んで硬直化した日本の出版業界に乱入してくるものと思われる。ipodが日本で驚くべきスピードで普及したのと同じか、もしかするとそれ以上のスピードと規模でキンドルが日本に普及する可能性が高いと漏れは考える。アマゾンが日本に登場する以前、アマゾンの日本における今日の成長を誰も予想出来なかったが、少なくとも漏れは、数年後の日本におけるキンドルは、かなりの規模の市場とユーザーを獲得していると予想する。旧約聖書に登場する巨人ゴリアテのような存在と化した日本の出版業界は、少年ダビデが投じたひとつの小さな石つぶてのようなキンドルによって確実その額をとらえられるであろう。しかし、その打撃はゴリアテの命を奪うほどの致命的になると漏れは静かに空想している。

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Column "Hitorigoto"

Vol.26 キンドル登場の衝撃